将軍、町田を斬りつける【UFC104, DREAM.12レビュー】

 UFC104「マチダ vs ショーグン」は、これまでに余り見たことの無いような試合だった。まるで真剣を使った殺陣のように、静かながら緊張感のあるプレッシャーを掛けながら、どちらかが音も立てずに掏り足で一瞬にして切り込もうとすると、閃光とともに刀と刀が打ち合ってはすぐに離れる。8ビートのロックでも、うねるようなR&Bでもなく、まるで雅楽のように、不協和音のなかにやたらな三鼓の音がテンポ刻むような不思議な試合だった。5R通じて退屈することもなく、なんじゃこれはと凝視し続けてしまった。

そもそもが、アメリカの大会で行われるブラジル人同士の試合で、「町田対将軍」というギミックだ。本来であれば日本人選手が披露すべき果たし合いの形であるような気もした。MMAという競技をつきつめた先に、カラテ対ムエタイの異種格闘技戦のように見えるものがあるというのも不思議な話だ。

判定結果の妥当性はさっぱりわからない。こんな達人の斬り合いを、ちゃんと解る人などいるのか。ともかく、ショーグンはおそるべき完全復活だ。同じ軌道を切り裂くローキックとミドルキックの鋭さはどうだ。


 同じくネオカラテとでも言うべき菊野の試合。ついさっき、町田将軍戦を見ながら、菊野もこんな舞台で大立ち振る舞いをやってくれんかなあと思ったばかりだったので、アルバレスに簡単に距離を縮められてしまう様にはちょっと落胆した。勝ち負けは仕方ないとしても、菊野が崩されてごく普通のMMA選手に見えてしまうようでは面白みがない。たまたまの秘技バタフライロックがなければもっと早くKOされていただろうと思えた。


 DREAMのホワイトケージ、みなさんにはどう見えただろうか?こういうものは時間とともに慣れていくものなので、自分の第一印象すら余り信用したくはないのだけれど、取り急ぎテレビを通して見た僕の目には、なんだか張りぼてのスタジオマッチのように見えてしまった。だだっ広くて長方形の大阪城ホールはたしかに、かりに実際には大熱狂となっていてもそうは聞こえなかったりするのだけれど、それにしてもテレビ画面で見る限り会場がすごく静かだったこともあって、ヘタをすると無人のスタジオマッチのようにすら見えた。ポッカリと浮かんだ別世界は、これまで以上に求心力のある戦いを要求しているようにも見えた。ケージなんて初めて見るわけでもないのに、思ったよりも強い違和感はあった。とにかく、「変わった」と言う印象は強いし、是非を論じる前に、もうしばらく、見続けてみたいように感じた。色の清潔さのせいか、バイオレンスが必要以上に強調されてしまっていると言う印象はなかったと思う。まあ、流血戦がたまたまなかったと言うこともある。実は血の色はホワイトケージには映えるかもしれない。ただ、UFCと比べやすくなってしまって、試合のレベルのせいなのか、会場の盛り上がりのせいなのかわからないけれど、正直見劣りがした。まあ、DREAM12も谷間大会ではあるのだろうし、UFC104もメインを除くとたいした大会ではなかったのだが。


桜庭の強さにはウルウル来た。桜庭はいつも鉄槌を落とされるので本当に何とかして欲しいのだけれども、あれだけ鉄槌を落とされて、動かなくなったかに見えたときにはダメかとも思わせつつ、フィニッシュは衝撃の鮮やかさだった。桜庭は、弁慶とかナカハラとか、その辺よりは全然強い現役選手なんだと再認識できた。40にしてケージでパワーアップだなんて、かっこいい。でもしばらく休んで欲しい。

岡見はリングラストかなあ。何かするだろうと思ってみていたけれども、何もしないまま終わってしまった。吉田善行はコスチェック戦に続き、ゴング直後の猛打殺戮を凌ぐことが出来ず。今回のWOWOW中継はTKに変わって宇野薫が解説、いつも以上にローキーな実況となった。副音声で会場音を流せというKamipro の主張に一票投じたい。あるいは英語実況音声でもいい。

佐々木希ちゃんはどの試合を見ても「早すぎてよく分からなかった」んだね。この子のコメントは不思議なことに、場数を踏むにつれてだんだん劣化してきている。もっと、ワーとかキャーでいいのに。



米MMAサイトではマチダ・ショーグンの判定に異議を唱える声が暴走、ROBと言う単語も頻繁に使われている。レスリング・オブザーバのラジオでは、プレス席はほとんどの記者がショーグン勝利を信じ、その線での記事を書き始めた記者もおり、ESPNのサイトはいったんショーグン勝利の見だしを報じてしまったという。会場は最初マチダコールで盛り上がっていたが、判定結果には大ブーイング、逆にショーグンの敗者インタビューでは大歓声が起きていたという。

ダナ・ホワイトは大会後会見で、自分もショーグンが勝っていたと感じた、両者のリマッチを実現したいと語った。

MMA Weekly に三人のジャッジのスコアカードが掲載されている。多くの記者は、マチダが取ったのは3Rだけだとの見解。

Fight Metric による「マチダ vs ショーグン」戦の分析では、ショーグンは82発、マチダは42発の打撃をヒットさせた。

この試合を見たいろんな選手のTwitter を Cage Writer がまとめている。ケニー・フロリアン、ロブ・マックロー、エフレイン・エスクデロ、デニス・カーン、ジェイミー・ヴァーナーらがショーグンの勝ちだと主張している。

UFC104 MACHIDA vs SHOGUN 全試合詳細レポート (MMA Planet)

【UC104】岡見勇信、試合後のコメント (MMA Planet)

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