宗教と軍隊とUFCと


ビール通りの劇場の裏部屋で、ジョン・レンケン牧師(37)は若い男性信者を率いていた。

「主よ、今宵あなたに感謝を捧げます。あなたを体現できるように祈ります」

一時間後、頭を垂れていた信者の一人が敵に打撃を繰り出している。レンケン氏は祈りとはほど遠いような導きの言葉を発している。

「ハードに殴れ!」彼は Cage Assualt というMMAイベントのセコンドについているのだ。「試合を終わらせろ!頭だ、頭だ!」

この選手は、ナッシュビルの Xtreme Ministries というMMAアカデミーの一員で、レンケン氏はアカデミーの創設者でもあるのだ。アカデミーのモットーは、「足と拳と信仰とが出会う場所」である。

レンケン氏の教会は、まだまだ数少ないものの急成長を遂げている、MMAを奨励する福音教会の一つである。MMAが、なかなか教会に寄りつかない若者層を呼び込むための手段になっている。

白人の若い男性を対象とした勧誘活動では、大会の日のテレビ視聴パーティが開かれ、その後、アルティメット・ファイティングを引き合いに、キリストもまた自分の信念のために如何に戦ったかを説明する説教が行われる。牧師の中には、大会を開催したり、自ら参戦したりする者もいる。

牧師たちによれば、最終的な目標は教会に男性性を注入し、キリスト教をもっと魅力的なものにすることにある・・・教会が親切や共感ばかりを奨励し女性的になりすぎた結果、強さや責任感を失いつつあることを危惧する牧師もいる。

・・・信仰と戦いのドッキングはキリスト教的価値観の奨励にもなると、テモテへの手紙(1)6章12節、「信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。」を引用して論じる牧師もある。全米11万5千の白人向けの福音派教会のうち、MMAを取りあげている教会は700。4万5千の教会を組織化している米国福音同盟ではMMAは公認の勧誘ツールとして認められている。

特定宗派にとらわれない福音教会では、以前から布教に人気のある文化を活用してきた。ロック音楽、スケートボード、ヨガを活用して信者を獲得しようとしているところもある。そんな実験的な福音協会内でも、MMAには批判的な向きもある。

牧師の中には「私は、赤い肉を食べ、ビールを飲み、他の男を殴るようなイエスのために生きているのではない」と語る者もある。

・・・この一年半ほどで、キリスト教MMAの衣料ブランド Jesus Don't Tap や、キリスト教のソーシャル・ネットワーク Anointedfighter.Com も登場した。

・・・キリストのタフな面を強調するため、福音教会のリーダーたちは20世紀の初め頃にも似たような動きをしたことがあるという。女性が仕事場に進出し始めた頃、いわゆるマッチョ派の信者たちが、男性性の強調のため、重量挙げを奨励したのだという・・・

出所 Flock Is Now a Fight Team in Some Ministries (New York Times)
聖書本文は「(財)日本聖書教会」による。

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アメリカ海軍はUFCとパートナーシップ契約を締結、兵士と選手の交流を深め、その共通点を強調しながら、あたらしい採用広告を行うこととなった。海軍担当者によると、急成長中のUFCの17歳~24歳のファン層に対し、海軍マーシャルアーツ・プログラムを紹介し、海軍とプロ選手に共通する兄弟愛に焦点を当ててゆくのだという。

・・・新しいCMの一つ、「ウォーリアーへの道」編は、すでにPPV放送内や、海軍の公式Facebook、Youtube等で視聴可能だ(下記の出典リンク先でも視聴可能)・・・「ウォーリアーになると言うことは、戦場で証明された兄弟愛に参加すると言うことだ。本当のウォーリアーはただ強さのみではなく、名誉を持って評価される。あるウォーリアーはオクタゴンへ、他の選手は地球の隅々で戦う。」

・・・この春に放送予定の SpikeTV の TUF では、海軍マーシャルアーツセンターのインストラクターが、TUF参加選手が住んでいるラスベガス郊外の家を訪問し、海軍の話をするという回があるという

出典 
Warrior ethos emphasized in UFC partnership (MarineCorps Times)


>今回は日本人にはずいぶん縁遠いUFCの一面を紹介してみた。たしかにUFC109では、アメリカ海軍のロゴマークが画面に何度も映し出されていた。自分のような平和ボケな日本人ファンが、それに輪をかけて平和なWOWOWの画面で、軍隊や宗教が絡んで来るのを眺めれてみれば、さすがにちょっとクラッと来るような、ザワッとするような。


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