海外メディアは五味をどう見たか


UFC Fight Night で勝利した岡見勇信の試合評。僕も映像は見ていない。CageWriter。テレ東のUFC中継はユーシン・オカミ・ショーになりそう。

ライトなMMAファンが気に入るような試合だった。岡見がリンハレスをドツキまくる様子を見て、ある観客は立ち上がり、「こいつはすげえ」と叫んでいた。リンハレスの動きは鈍く、岡見はどんなコンビネーションでも自在に打ち込むことができた。試合開始3分でリンハレスはフラッシュダウンし、その後はガードゲームとなったが、左目の上を大きくカットした。2R、いきなり岡見がラッシュをかけると、リンハレスは左目をさらに斬られ、レフリーが試合を止めた。



一方、五味の評判はやっぱり芳しくない。

31歳の五味にとって、修斗やPRIDEで確立した圧倒的な強さが正式に終焉を迎えた試合だった。五味がライト級トップ選手の一人かもしれないと思う人はもういない。このままでは五味は、新人選手に金星を献上する前座選手になってしまうだろう。
DW - Headkick Legend



31歳の五味にどれほどのものが残っているのかはわからないが、そんなにダメな試合でもなかったと思う。五味はフロリアンと2R強戦ったが、ジョー・スティーブンソンやクレイ・グイダと言ったトップランカーはもっと簡単にやられていた。

Steve Cofield - CageWriter



使い古された言葉だが、ニーチェに「自分を破壊する一歩手前の負荷が、自分を強くしてくれる」がある。人生の難局にある人に慰めとなる言葉である。MMAでは、敗戦の意味を学ばないまま、ずっと勝ち続けることは不可能であり、ほとんどの偉大な選手は、がっかりするような敗戦を経て、より優れた選手に変わっていくものである。

フロリアンだってそうだった。ショーン・シャークに負けた後にドンドン台頭し、BJペンに負けた後に全盛期を迎えている。

五味のバランスは崩れていた。フットワークはひどかったし、ディフェンスはクソだった。パワーはあったが、打撃の技術は存在しなかった。彼は復活するだろうか?少し時間をあげようじゃないか。十分にやれると思うよ。でもケニーに勝てるかと言えば、それは疑わしい。でも、これで五味がお終いだという言い草はアホらしいし近視眼過ぎる。

五味はこのあと、自分を変革して、UFCでトップファイターになれるだろうか。ハードコアファンの多くは、この敗戦に心を痛めている・・・詰まるところ、五味のメンタル的にこの敗戦をどう処理するかにかかっているのではないか。

Leland Roling - BloodyElbow



五味の試合はほとんど予想通りだった。フロリアンとの差は大きかった。五味はもう、ライト級のトップ10に返り咲くことはないだろう。というのも、五味の凋落はもうとっくに起こっていたことだからだ。

五味はUFCで勝つことはあるだろうか。それはもちろんだ。マッチメイク次第では。ロス・ピアソンとかデニス・シルバーといった選手とならエキサイティングな試合をやるだろう。だからといって、五味がトップ選手を下せるとは思わない。

Michael David Smith - MMA Fighting


五味がUFCにいることの利点は明らかだろう。五味はUFCが進出しようとしている場所で有名人なのだ。日本版のチャック・リデルだと思えばいい。考えてみて欲しい。この2年ほど、ロクに勝っていないチャックとティトがPPVでメインイベントを飾る。そんなことが出来る選手はアメリカにだってそんなに多くないし、日本にはもっと少ない。

日本市場のことは置いておいても、五味はエキサイティングな選手だ。五味が勝てるライト級はたくさんいる。BJとの再戦はさすがに無理だろうが、たとえばネイト・ディアズ戦なんかどうだろう?因縁はもう出来上がってる。五味はスタンドでやり合える相手が嬉しいだろうし、ネイトにはレジェンドをぶちのめすチャンスだ。

Adam Tool - Five Ounces of Pain



五味は全盛を過ぎているので、敗戦自体は驚くべきではない。ただ、日本の選手が繰り返し、こんな風にやられてしまうのには理由がある。日本のMMAとアメリカのMMAは別物なのだ。ルールやケージということだけではなく、メンタリティが違う。

日本のMMAでは、鮮やかな動きで勝利を収めることを重視する。極端な減量もしない。よいパフォーマンスを重視し、リスクを取る。「いい試合」を心がける。

Dave Meltzer, Wrestling Observer Radio


(訳注 これに対してアメリカのMMAは、動きの鮮やかさは気にしないし、少しでもウエイト・アドバンテージを取ろうとするし、リスクを取らない戦いぶりをする、との含意があるものと思われる)

そして、ケニー・フロリアン

五味は非常に強い選手だ。たまたま自分の夜になっただけだ。負ければ最低だと言われるし、勝てば最高だと言われる。ファンはそんなものだ。放っておけばいい。

何かの間違いではチャンピオンにはなれないし、そこから単に転げ落ちると言うこともない。

外国に来て,言葉も分からないし環境も違うし、選手にとってキツイことだらけなのに、ケージに上がって挑戦を受けてくれただけで、リスペクトに値するよ。バックステージで五味とそんな話をした。


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今日になって五味の試合をもう一度観てみたら、最初に観たときよりも印象が悪くない・・・これは不思議な感覚だ。なんなんだろう、変な先入観が取れたということなのかな・・・

UFN21:Gomi ve Florian の視聴者数は160万人、瞬間最高は五味のタップシーンで200万人。UFNは平均的に150万人程度が視聴する。3月の大会ラッシュの狭間の放送としては、優秀な結果だったとMMA Payoutは分析している。

また、この大会中継直後にスタートした The Ultimate Fighter 11 : Team Liddel vs Team Ortiz の視聴者数は190万人。キンボ登場の前シーズンの第一回は410万人が視聴したが、さすがに今回はノーマルな水準に戻った。

TUF11第一回で放送された試合はすでに Ultimatefighter.Com のサイトで視聴できる。

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WWEでレスナーのマネージャをしていたポール・ヘイマンが、ブロック・レスナーに帯同してUFC111に来場していたそうだ。レスリング・オブザーバ4月5日号によると、ヘイマンをUFC選手用のインタビュー・コーチとして雇おうという動きがUFC社内にあるという。ただ、ここしばらくUFCでは毎週にように大会を開催していて、連日20時間も働きづめのダナ・ホワイトとの面談は叶わなかったという。ある記者に対してホワイトは、寝てないし忙しすぎるし、いまどこの街にいるのかもよく分からないとぼやく有様。WWEを引退した実況アナウンサー、ジム・ロスを起用できないかというアイデアも検討されているそうだ。


同じくレスリング・オブザーバ4月5日号より。UFCが社内で、PPV購買者の購買行動の研究をまとめたそうだ。研究結果によると、UFCのPPVを購入した一世帯あたりの視聴者数は平均10人だったという。オブザーバは、10人くらいで集まってみている場合も多々あるだろうが、平均が10人だというのは信じがたいと分析している。WWEが同様の調査をしたときには、平均4人が集まってみているとの結果だった。この計算で行けば、PPVが160万件売れたUFC100は、全米で1600万人が観たことになり、スポーツ界の最大級のイベント、NFLプレイオフやワールドシリーズに勝るとも劣らない数字となる。

また、カードが強力であればあるほど、世帯あたりの視聴者数は増加する。弱いカードの大会の視聴者数は8人にまで下がるという。スパイクTVで無料放送される場合の世帯あたり視聴者数は1.5人で、これはWWE のRAWやSmackdown と同じだという。

カードにかかわらず必ずPPVを購入するというハードコア・ファンは20万人程度、それ以外は、話題になっている大会をエンターテインメントとして観たいと考える人たちで、この人たちの動向でPPV販売数は大きくぶれることになる。PPV成功要因は、ハードコア・ファン向けのカードを組むことではなく、「それほど熱心なファンでもないが、何人かの選手の名前は知っている」ような友達が観たがるようなカードを組むことだ、ということになる。

UFCのPPV購買者を対象とした別の調査でも、「スポーツ・バリュー」と「エンターテインメント・バリュー」のどちらを重視しますかとの質問への解答は、エンターテインメント・バリューに大きく偏っていたという。


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