UFC112レビュー


UFC112をWOWOWで観戦した。

フランキー・エドガー def BJペン

あー、こういう試合はよく分からないなあ・・・まことに唖然とさせられる大アップセットではあるんだけど、だからなんなんだという印象も強い。エドガーはフルラウンドにわたって大変なスピードで動き続け、最後までBJに触らせなかったのだから、おそろしいまでのコンディショニングと我慢強さだとは思う。ただ、これはファイトと言うよりポイントゲームである。

エドガーについていけず、険しい表情でイラだち、雑なパンチを空振りし続ける、徐々にガス欠を起こしていくBJに、ちょっと老いを見た気はした。その様子は、なんだか五味っぽくもあった。

なんにせよ、BJが楽勝するものとばかり思っていて、ほとんど楽しみですらなかった試合だったので、見てはいけないものを見たような気もする。繰り返すが、新時代到来と言った感覚は薄く、むしろ、だからどうした、とは思ってしまうのだが、賛否もある判定については、個人的には、まあ、ポイントを数えればこうなるのではないかと思った。とりあえずこれでライト級戦線は沸き立つだろう。エドガーの最初の防衛戦は、エドガーに土を付けたことのある唯一の男、グレイ・メイナードが有力だとMMA Weekly が早速報じている。BJ陥落により、現段階で青木が世界のライト級のトップに繰り上がったと論じる報道もある。

アンデウソン・シウバ def ダミアン・マイア

前半のシウバは何をしても圧倒・いつでもフィニッシュ可能という感じで、いろんなダンスやら変なポーズを取る「おもしろおじさん」を演じてくれて、そのせいでマイアが消極的に映ったが、我慢強く凌いだマイアが後半ハートを見せ始めると、今度はシウバがただの道化者に変わっていってしまった。

シウバのパフォーマンスには非難囂々のようだ。ただシウバは、パトリック・コーテやタレス・レイチといった柔術家と戦うと、こうなる。こういう試合をやるたびに、ダナ・ホワイトから怒られる。怒られたシウバがどうするかというと、ファイトスタイルを変えるのではなく、「おもしろカンフーおじさん」パフォーマンスの比率を高めるだけのことである。おどけるシウバを見て今回僕が連想したのは、「菊の花を食べるボボ・ブラジル」であった。ここまでくると、怖いとか面白いとかではなく、引く。

たしかコーテなどは、3R開始時点で、「3Rまでもったぞー」とばかりに嬉しそうに3本指を突き立ててアピールして見せ(シウバ相手になかなか3Rまでいけないのは確かなのだが)、その直後にから足をふんで転んでTKO負けを食らっていたわけで、いわばアンデウソン・オーラに自滅したのであったが、すくなくともマイアは、メンタル的に圧倒されることもなく、むしろ刃向かっていったために、シウバの裸の王様ぶりが顕著なものとなってしまった。

会場からはGSPコールが巻き起こっていたが、相手の強みに決してつきあわない点では、GSPだって同じ穴のムジナだと思う。

人目を気にしているようで気にしていない図太さ,大胆なようでいて実はおそろしいまでの臆病さ、そんなことがシウバが強さの秘訣の一つなんだろうなと感じさせた。エドガーのポイントゲームを認めるなら、シウバのポイントゲームも認めざるを得ない。漂わせる哀愁も味わいの内だという気もする。難攻不落のヒール王者というのはこう言うものではないかと思うが、シウバもキャラ的にヒール道に振り切れていないところがまた悲しい。

試合直後はファンに謝ってみせるが、バックステージに戻ると「こんなこともあるよ」と開き直るのも毎度のことだ。そのパターンは逆にして、客前で毒づき、控え室で謝る方が、わかりやすいと思うが。


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UFC111直前に、MRIで脳に異常が発見され、ジョン・フィッチ戦を欠場したチアゴ・アウベスのインタビューがMMA Weekly に。重症ではないという報道があった一方で、8時間もの手術を受けたといった、時節柄心配な報道もあった。

もう試合が出来なくなるかもしれないと思うと、怖くて仕方なかったよ。人生で最も長い1週間だった。

血圧の低い静脈と、血圧の高い動脈が脳で交差し、出血をおこしていた。生まれつきのものなのか、ここ最近生じたことなのかは解らないそうだ。医師は僕の足の付け根からカテーテルを入れて血管造影を行い、大きな問題が起きていないことを確認し、すぐに直してくれた。静脈と動脈の間に糊を注入したんだそうだ。



アウベスは2日で退院し、早速軽いトレーニングを始めている。ただし術後2週間は頭部へのコンタクトを禁じられたため、ATT内では、アウベスがなんと言おうと、2週間はスパーリングしないこと、という命令が出ている。

アウベスとフィッチ、仕切り直しの一戦は6月のUFC115で予定されている。

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レスリング・オブザーバ最新号より2題。

●次期TUF12は夏に撮影、アメリカでは秋から放映されるが、このほど出場選手のトライアウトが実施され、有名どころではチャールズ・クレイジーホース・ベネットとジェイソン・グイダが参加していたという。

ベネットは戦績・キャラ共にテレビ向きだが、2000年にコカイン密売で逮捕歴があることが問題になるかもしれないとのこと。一次審査を合格して、面接に進むことになっている。

クレイ・グイダのお兄さんジェイソンは、以前TUFに出演したことがあるが、そのときには減量に失敗し姿を消したことがある。

TUF12はライト級とライトヘビー級で行われるという。

●プロレス団体ROHがインターネットによるPPVで事業を建てようと試行中だそうだ。一回目のネットPPVは昨年12月に行われ、販売数は1000~1200件程度であった。4月3日の大会で、第2回目のネットPPVを行ったが、前回を多少は上回りそうだとのことだ。

販売価格は14ドル95で、1200件だと総売上1万8千ドル、Gofightlive.com といったPPV業者の取り分を半分だとすると、ROHの売上は9千ドル程度であると思われる。ネットPPVのメリットはコストの低さで、実施に当たっては技術料1200~1500ドル程度のコストしかかからない。200件も売れば収支トントンになる。

もちろん、この水準では大きく儲かる話ではないが、とりあえず堅く儲けは出るということらしい。

ROHではこれまで、2ヶ月程度遅れの録画版をテレビでPPV放送してきた。開始当初は1万件程度売れたが、ここしばらくは2000件程度にとどまっていたという。


技術料12万円ほどの外注で済むなら、ストライクフォースやらベラトールやらを日本に中継をする会社を個人でさっと作ってしまいたくなるような手軽さだ(もちろん、放映許可をとるのが大変だが)。

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4月14日、NHKスタジオパークからこんにちわ」に菊地成孔氏出演。

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http://gbring.com/sokuho/news/2010_06/0607_m-1global_02.htm 6月7日(月)都内ホテルにて記者会見が行われ、・・・・・・テレ・プランニングインターナショナル株式会社(以下 TPI)のビジネス・デベロップメントマネジャーであるディビッド・アダムス氏も出席し、6月11

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