60億分の1の男、ウエンディーズで食事【ダメージコントロールを誰か!】


先日のストライクフォース大会での「メイヘム vs シーザー・グレイシー軍団」の乱闘劇について、ここぞとばかりのダナ・ホワイトのコメント

誰が見てもあんなもん、CBSには似つかわしくない。アンチUFCの人でも、そこはそう思うやろ。しっかりせえよ、CBS。だからわしらと組むべきやったんや。それをあのショータイムのアホンダラに説得されて、エリートXCなんかと組むから・・・

で、来月にも倒産しそうなC級プロモーションの草大会に捕らわれてる。こういう大会を全国放送に乗せると、ああいうことは起きる・・・だれもちゃんとコントロールしてないと、ああなるんや。

わしらの大会で、あんなん見たことないやろ?あのアナウンサーもひどいな。「やめなさい、これは全国放送ですよ!」やて。だから藪リーグやと言うんや。

UFCのPPVだって、毎回毎回、最高の試合になるとは約束できん。けど、もうこの10年ほど、一貫していい試合をお届けしとる。だからこんなに人気が出たんや。ときには悪い試合もある。アンデウソンの試合のようにな。それも3回目や。だからわしらは怒っとる。

(ダナは、ストライクフォースが、離脱するシールズからベルトをはぎ取ろうとして失敗したと見ている。)試合でギャンブルをしたらいかん。マヌーフの時もあいつらはギャンブルに出た。ローラーは不満が多い男やから、追い出そうとしたんやけど、逆の目がでてローラーがKO勝ちしてしもうた。シールズの扱いもひどい。シールズの金をダンヘンに回しとる。で、ダンヘンが壊されて、あいつらどうするの?ねえ、どうするの?みんなでドボンだよ(嘘訳)ビジネスがわかってないよ。


そう、試合でギャンブルしてはいけませんね。負けた場合のリスクやダメージのコントロールをするならいいけど、投げっぱなしじゃあしょうがねえ。ところでFigure 4によると、米MSNBCのニュースで、「UFCで乱闘発生!」という報道があったという・・・


シーザー・グレイシー及びその門下のシールズ、メレンデス、ディアズ兄弟はすでに謝罪を表明している。その上で、この騒動に関するシーザー・グレイシーのコメント

この騒動の一番の問題は、興味を試合じたいから逸らしてしまったことだ。誰のためにもならない。試合のあとに試合をしたって金にもならない。「文句言い」が出てきて何かいうから、こっちもその「文句言い」について話をしないといけなくなる。

先週、シャークスのホッケーの試合を見に行ったら、乱闘が3回起きた。ホッケーはファイトの場ではないだろう。今回は戦いの場で戦いが起きた。いいことだとは言わない。でもそれに飛びつく「文句言い」が多すぎる。あの日はNBAでも戦いがあった。スポーツファンなら、こんな騒動には慣れっこだろう。必要以上におおごとにしようとする連中がいる。繰り返すが、これはいいことではないよ。申し訳ないと思っている。みんな謝ってる。

それにしても、あいつは誰だ?シールズはダン・ヘンダーソンを倒したところだったんだ。あいつの試合はテレビで流れてすらいない。



この騒動については、テネシー州アスレティック・コミッションが調査に乗り出すと明らかにしている

WAAA-HHHHH: The Decline of Balls in MMA (BloodyELbow)

1984年、偉大なアマレス王者デイブ・シュルツが五輪金メダルを目指していたとき、たまたまトルコ人の対戦相手の腕を折ってしまった。非難されたシュルツのコメントの中に、「レスリングを女子供のスポーツに変える気かよ」というものがあった。

グンと現在に早送りする。数日前の「シールズ対ヘンダーソン」のすばらしい試合の後、国中のMMAファンが、評論家が、そして預言者たちがコーヒーを飲みながら嘆いているのは、MMAが「その他の人」にどう映ったかということである。ここを含むウェッブサイトでは、まるでおばあちゃんのように、MMAに着せられた汚名について語り、シーザー・グレイシー一味がジェイソン「騒乱」ミラーに与えたレッスンの汚らわしさについて語っている。

そこに糞を投げつけさせてもらう。

ここ365日、フットボールのエリート・クォーターバックの一人が便所で酔った女を強姦したとして逮捕された(と、伝えられている)。高校生のフットボール選手は脳へのダメージのため麻痺に陥った。この記事を書いている間にも、ボクシングの世界王者が妻殺しのあと自殺した。でも、汚名がどうしたとか、外面のこととかを云々する向きはない。

いまのMMAは優しすぎる。まるで、感じやすい百合子ちゃんがCBSとMMAに悪いことが起きないかと心配しているみたいだ。いいですか、ファイターがファイトの場でファイトした。そのファイトは騒乱という名前の男が起こしたのである・・・淑女の皆さん、その抗議運動はやり過ぎですよ。

悲劇もあった。それは、シールズのアップセット勝利が、「退屈な試合をするシールズ」という、執拗に悪臭を放つレッテルで片付けられていること。この試合は、バケツいっぱいの不屈の精神による集中力の見本であり、ここしばらく観たこともないような「死んでなるものか」精神だったのである。さらなる悲劇はCBSが少しの視聴者しか引っ張ってこれなかったこと。さらに、「謝罪」という奇妙なアメリカの儀式に関係者が自らなだれ込んでいったこと。こういうことが悲劇なのである。ミラーの場違いな「俺さまはどうだイズム」への反応として、ディアズ兄弟やギル・メレンデスやシールズが取った態度は、われわれだってあんな風になっただろうと思う。

たしかにCBSはMMAをやめちゃうかもしれない。やめるとしても、それは金網の中の小さな混乱とは関係ないだろう。現実はこうだ。アメリカがしつこくMMAに安心しようとしないのは、ひとえにMMAが喚起する、「争いごとの決着」という本能への素直さのためなのである。MMAほど率直なスポーツはほかにはない。好こうが嫌おうが、ディアズ兄弟ほど素直な人たちはいない。シールズの振る舞いなんて、昔ながらの紳士か学者みたいだ。女子供のスポーツじゃないのに、である。

僕のアドバイスはこうだ。誰からも罰金を取るな。誰も出場停止にするな。次の大会に全員出場させよ。そして、国中がMMAのことをどう思うのかと、震えながら涙目で心配するのはやめにしなさい。

あるいは、テニスファンになればいいと思うよ。テニスはファンを増やしたいんだそうだから。


(訳注 この記事は、MMAライターではなく、サブカル系一般紙のライターが書いたものである)

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ダナ・ホワイトが「リデル vs オーティス」は必ず実現すると言いながら、のちに「リデル vs フランクリン」をアナウンスしたことについて、米MMAメディアの中には、TUFのネタバレにならないようにという意図はわかるが、言いようはほかにもあったのではないか、これではメディアとUFCとの間の信頼関係が損なわれるのではないかとの趣旨の主張が散見されている。個人的には「大人になれよ」と思うが、他方でダナ・ホワイトもかなり明瞭に、しかもつい最近まで、ぬけぬけと嘘をつき続けていたこともまた、事実らしい。

Headkick Legend のこの記事では、なんとダナ・ホワイトが日本人化しているなど論じ、機に乗じて谷川氏や笹原氏がいかに嘘ばかりついているかを紹介し、アメリカのファイト業界が日本のようになってもいいのかと問題提起している。僕などからみれば、日本のプロモーターの弱点は嘘なんかじゃなくてひとえに「アナウンスが遅い」ことであり、なぜアナウンスが遅いかと言えば、おそらくは嘘を発表して関係者に妙な波紋を投げかけたくないからだろうと思われ、逆に言えばようやく発表したことについては嘘はほとんどないとも思われ、もうちょっと嘘やフライングがあってもいいんじゃないかと思うくらいである。だからこの記事にはファン目線ではもう一つピンと来ないし、ファン向けの情報開示と選手とのコミュニケーションをごっちゃに論じても仕方なかろうとは思うのだが、まあ、そこは現実にはごっちゃになってきている分野であることは確かだし、こんな風に観ているアメリカ人もいるんだな、という話である。

日本の格闘技を追いかけていれば気がつくことだが、谷川氏や笹原氏が何かを発言しても、だいたい眉につばをつけて聞くべきだということがわかってくる。発言だけではオフィシャルにはならず、カードの正式発表まで待たないといけないのだ。団体内に情報源を持つメディアに関しても、同じことが言える。すると、選手やファン、メディアにとって、毎日嘘の垂れ流しを与えられている雰囲気が醸成されていく。何がマコトで何がウツツであるのかは、経験的に推察するか、大会当日を待つよりほかない。

最近の例で言えば、アンドレイ・アルロフスキーが大晦日にアリスター戦をオファーされたことがあった。アンドレイ側の契約は順調に進んだが、結局バス・ブーンの了承がとれなかったという。過去には、K-1がブーンを介してヒョードルと契約しようとしたこともあったが、ブーンとヒョードルとの関係は薄く、ワジムが許すわけはないのであった・・・少し前にも谷川氏はツイッターで、「オーフレイムはDREAM13には出ない、K-1に出る」と発言、実際そうなったわけだが、アリスター自身はぎりぎりまで、DREAMに出場するつもりだったという・・・



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かなり旧聞だが、アストラ国保氏のインタビューがMMA Fighting に掲載され、本人曰く好評とのことなので、簡単に紹介しておきたい。本人曰くと言うことは、大本営発表に近い情報だとみるべきだろう。それでも、やや野に落ち気味の国保氏でなければ口にはできない正論ではある。こんな人でもいないと、何も変わらないだろうという気は確かにする。その反面、わざわざこんな演説をしないといけないところに、「野に落ち気味」という部分が浮き上がって見えてきてしまう感も残る。

いまのSRCは方向性を欠いていると思う。WVRはこれからどうしたいのか、私にはわからない。

ファンが観たいと思う試合をブッキングしていくと、結局自分のところの選手を厳しい試合に組むことになる。でもうちの選手は、私の姿勢を理解してくれて、むしろモチベーションに転じてくれている。

(地の文)FEGがDREAMを休止するとか、主要スポンサーが降りたといった噂は絶えない。ドンキホーテが日本のMMAを救おうとして、すでにほとんどすべてのMMA大会の主要スポンサーないし主要株主になっている。国保はそれでは未来がないと分析し、変革が必要だという。

プロモーターは、テレビとかスポンサーがいなくても成立するイベントを作らないといけない。そのためには、他のスポーツを学んで、MMA界をリストラする必要がある。日本のMMA団体同士が角を突き合わせているようでは、MMAは消滅してしまう。日本のMMAにはいい時代もあったが、まだその頃の面影を見ている人がいる。

(地の文)国保は、過去の栄光を捨て、今の現実を直視すべきだという。そのことはプロモーションの面だけでなく、日本のMMAのレベルについても言えることである

五味の敗戦は恥ずべきことだが、今の彼なら日本でも勝てない。青木、金原、小見川といった選手は世界レベルの大会でも戦える才能を持っている。北岡、川尻をふくめ、日本には優れた軽量級が存在する。ミドル級以上で日本人選手が世界と伍していくのは難しいと思うが、軽量級なら世界を引っ張ることも可能だ。



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ここ数日、北岡悟のブログを楽しく読んだ。

人間は、朝起きるとどこかに出かけて何かの仕事や用事をすませ、終わると帰宅し飯を食って寝るものである。わざわざブログを書くなら、その仕事や用事の方を書くのがふつうなのではないかと思うが、北岡のブログは終始一貫、仕事や用事ではない方を淡々と記録している。

トレーニングのことを書くのではなく、トレーニング場所への移動について書く。そして、食品スーパーでの買い物について・部屋の掃除について・昼寝について徹底して書く。そちらにフォーカスを当てると、人間には毎日そんなに大きな変化は起きないのであって、結果的に北岡のブログも毎日ほぼ同じことが書いてあるような印象になる。同じなら書かなくてもいいように思うが、それでも几帳面に毎日書いている。読んでいておもしろいかと問われれば、そうでもないとしか言いようがない。それでも、勤め人とはずいぶん違うルーチンを持っているところは、アナザーワールドをのぞき見ているようで不思議な気持ちになる。たまに北岡を渋谷で見かけたりすると、お、これから整体に行くのかな、それともメガネを作りに行くのかな、などと妙にピンポイントで推察したくなる。いきなり道で見かけたときに詮索したくなるのは、むしろそんなことである。

そんな執筆方針の北岡ブログが、青木に伴って渡米したことで、すこし裂け目をかいま見せる。はしゃいだ気持ちや、暇な自由時間、風変わりな食事への批評精神、試合への入れ込みなどの感情が少しづつ露呈する。わずかのゆらぎが、かえって現場の雰囲気を伝えてくれる。

青木の闘い(北岡悟オフィシャルブログ)

試合後の青木はDREAMスタッフ一同と、ウエンディーズで食事をしたそうだ。日本から撤退したばかりのウエンディーズ、たしかにアメリカでなければ食べられないプレミアム性はあるが、それにしても大仕事終えてファストフードとは、あまりにも日常的というか、北岡的というか、けなげと言うのか。カトーさんとかもいたんだろうから、ここはもっと別のやり方で青木の疲れをいやしてやってほしかったと僕などは思うが、本人たちはそんなことには案外無頓着なのかもしれない。試合直後というのはこんなものなんだよというだけのことなのかもしれないが・・・。なんにせよ、ウエンディーズで満足する男に「60億分の一」を背負わせようとしたところで、あれこれのひずみが出るとしてもやむを得ないのではないかという気はする。

それと、仇討ちは川尻に、という報道が散見されていて、それもいいのだが、セコンドにいた北岡もいろいろ考えるところがあっただろう。考えるだけではなく、自ら仇討ちに乗り出してほしい。SRCに戻ったって仕方ないだろう。


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