海外エージェントの時代到来


ニュージーランドのExplosion というイベントで勝利を挙げたばかりの石井慧のトレーナー、レイ・松村氏のインタビューがMMA Fighting にあった。石井の今後についての示唆が見られる。

SRCはまだ会場を押さえていないようだが、次々回大会は9月下旬になると思われる。石井はそこで藤田か吉田との対戦を希望している。

Xplosionには國保氏が来場していた。國保氏の意図についてはコメントできない。石井には大舞台が必要であり、戦極との契約はあと一試合だ。



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MMAエージェントのヒラタ・シュウ氏のインタビューが MMA Fighting に。あちこちですでに訳出されているのだろうけれども、これはちょっと外せない内容だと思いあえて遅訳。

Q 多くのファンが、「青木 vs メレンデス」は日本のMMAのレベルの尺度になったと見ています。この試合をどう見ますか。結果には驚きましたか?

シュウ 驚きはしない。もともと青木のスタイルはとてもリスキーなものだし、かばうわけでも何でもなく、彼の戦略は現在の5分ラウンド・10ポイントマスト制にそぐわない。青木のスタイルは、時間無制限の試合全体をジャッジするような場合には向いている。MMA創世記にホイスがキモから一本取ったように、数少ない機会を捉えて極めるというのが彼のやり方なんだ。ホイスもずいぶん殴られたけど、最後にはアームバーで勝ちをもぎ取った。

もっと極端に言えば、青木のスタイルは、審判のいない野原で戦うのに向いている。巌流島での武蔵と小次郎のようにね。でも現代のMMAで青木が圧倒されてしまったことは驚くに当たらない。北米で過去10年、発展してきたMMAに、青木はついて来ていないからだ。

青木は普段から、アメリカ流のスコアリングのもとでは試合をしていない。ケージの中で戦ってすらいない。まだストライクフォースでは頭部へのヒジが禁じられていたが、もしこれがUFCだったら、血まみれで終わっていたかもしれない。アメリカでは、相手がガードに入れば、ケージに押しつけて距離をなくし、打撃を落とせばいいと知っている。リングで戦う青木は、そんなことに対処したことはない。

さらに、いまのMMAの基準では、ボクシングのスキルが必須となっている。青木がムエタイを練習していることは知っているが、パンチの技術はほとんどない。効果的な打撃がなくては、メレンデス級の選手に迫るのはほとんど不可能だ。

Q 青木は、日本のMMAはアメリカより劣っていると示唆しています。どう思いますか?


シュウ 青木とは食事をしたこともあるし、いい男なんだが、だからこそ、ちょっと批判的なことをいわせてもらうと、何様のつもりなんだろう、と思う。青木がいつ、日本の代表になったというんだ?

青木が安全な道を歩んでいる最中にも、岡見や長南、郷野、前田、弘中、中村K太郎、三島、三浦、吉田、中村和、水垣、五味といった選手たちは、勇気を持ってUFCやWECといったメジャーリーグに挑戦している。生き残れているものはあまりいないが、日本の旗を背負うべきはこれらの選手だ。

青木といえば、DREAMが敷いた安全で豪華な道を歩いて、メジャーリーグともいえないストライクフォースに出場しただけのこと。厳しい道は歩んでいない。イチローや松井はMLBで活躍しているが、青木といえばカナダかカリブの野球リーグに特別参加した程度のことだ。そんな彼が、メレンデスに負けたからと言って、日本のMMAはアメリカの植民地だ、などと口にするのは、岡見や水垣といった大リーグで活躍中の選手を侮辱していると思う。


Q 日本のMMAはどんな風に変わる必要があるでしょう

シュウ 選手のスキルレベル、練習環境、MMA選手の世間的評価など、あらゆる面でいまは日本よりアメリカが進んでいる。ようするに全体的に努力が足りないのだろうと思う。プロモーターは最高のプロモーションをしようとしない。たとえば、スポンサーを獲得したり、海外でのテレビ放送を取り付けたりすることに十分な力を入れていない。

選手もジムも、新しい練習方法を取り入れようとしていない。もっと多くの選手が渡米して練習するべきだし、もっと多くのトレイナーがアメリカに来て練習方法を学んでいかなければならない。選手はもう少し、トレーニングやダイエット、栄養といった、MMAに関連する知識を深めるようにしないといけない。選手やジムは、スポンサー獲得にもっと関心を持たないといけない。そんなあれこれのことが、日本のMMAを活性化していくと思うが、いまのところはそうなっていない。この10年ほど、同じことを繰り返しているように見える。


Q 日本に変化をもたらすものはなんでしょうか。

シュウ 2012年の地デジ化で日本のテレビ市場が大きく変わりでもしない限り、日本のMMAはZuffaにかなわないだろう。PPVという市場が日本にはないからだ。日本のMMAを再度活性化する唯一の方法は、日本人選手がUFCかWECのチャンピオンになることだろう。

日本では大リーグの人気がすっかり定着したが、それもイチローや松井といった日本人選手が活躍しているからだ。UFCやWECに、イチローや松井は存在しない。GSPやアンデウソン・シウバが日本人だったら、いまごろ日本のテレビに出まくって、山形の山奥のおばあさんですらUFCのことを知っているだろう。変化をもたらすことが出来るのは選手だけだし、たった一人の選手でも変化をもたらすことは出来る。日本版タイガーウッズのような選手がUFCに登場すれば、すべてがうまく回り始める。


Q チャンピオンになれそうな日本人選手はいるでしょうか


シュウ 岡見や水垣には、金網での最初の日本人王者になる可能性があると思う。このほか、臼田育男や帯谷信弘といった選手は、145(65.7キロ)に落とせるなら、十分ためをはれると思うし、日沖発とリオン武はいつでも世界トップレベルで戦える。

ただ、国内の政治力学もあって、一部の選手は海外に出ることが出来ず、オクタゴンで力を試すことが出来ない。だから私は、さらに若い世代の選手に注目し始めているんだ。

いま私は、高校の柔道やレスリングのチャンピオンで、アメリカでプロとしてMMAをはじめてみたいと考えている選手のスカウト活動を始めている。親御さんの説得もしたりするが、これまでのところ、日本ではなくアメリカで格闘家になるということについてはおわかりいただけている。時代は変わる。名前はまだ明かせないが、17歳の柔道国体優勝選手と契約直前だ。本人とお父さんがUFCの大ファンだったので、説得には5分とかからなかった。



>この平田氏の論旨には腑に落ちるところがあるような気がする。とくに、日本のMMAは10年間変わっていないというくだりは、PRIDEでの成功経験のせいで、かえって変革が起きにくくなっている部分があり得ることを伺わせる。
何でもアメリカ市場と同じ形で動くべきだ、とすら聞こえる部分はちょっと気になったが、こういう主張をする人がいること自体はいいことなのではないか。

とはいえ、平田氏個人を批判するわけではないが、ふつうの読者がこういう記事を読むときの一般的な心構えとしては、氏は選手が国境をまたいで動くと懐が潤うという仕事をしている人だという前提は忘れない方がいいとは思う。

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元WWEのスティーブ・オースティン、ラジオのインタビューでコメント

(出演映画 The Expandableについて)
(競演した)シルベスター・スタローンはプロレスとMMAのものすごいファンだ。ブラジルで撮影していたとき、一緒にノゲイラ兄弟に会いに行った。自分はヴィトー・ベウフォートにもあったよ。撮影の合間の待ち時間には、ランディ・クートゥアを3時間も質問攻めにしてやった。


MMAができるプロレスラーはたくさんいるよ。MMAが進化する過程で、ちょっと早めに転向していたら、すごい選手になれたプロレスラーは少なくない。自分も若かったら本気で入れ込んでいたかもしれない。なにもUFCのチャンピオンになれたはずだと言いたいんじゃないよ。ただ、自分のメンタリティやマインドセットを考えると、若かったらこの道を歩んだだろうなと思えるんだ。だから自分はMMAのファンなんだよ。



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発売中の週刊東洋経済5月22日号「弁護士の超活用法」という特集記事の中で、アウトサイダーで活躍している「戦う弁護士」堀鉄平氏が紹介されている。堀氏は自ら経営するのジムを、刑務所から出所してきた人に無料開放し、社会復帰の手伝いをするという活動を始めるそうだ。アウトサイダーのDNA躍如である。


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[格闘技][読書]北米に負けるな!が最終目標ならリングかケージかより「岡見・水垣が日本のトップ!」つう意識改革が必要?

専門誌が発売された。買ったはいいもののまだ未読なのだが、とくにkamiproは「開国するぜよ!」がキャッチコピーということで、やや人工的な盛り上がりの部分もある?リングorケージ論にもページが割かれてるんだろう。 ただしこれも青木真也敗戦から語り続けられていたので

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