FEG / PUJIが調達する200億って、多いの?少ないの?


NHBNewsさん経由で、中国事情にお詳しいとみられる Kinbricks Now さんの記事を読む(こちらこちら)。

うん、そうなんですよね。Puji Capital はググってもヒットしない。Puji Holdingsというのはあって、たぶんこの傘下にある会社なんだろうけど、Holdings のサイトにもこの件についてのプレスリリースなどは一切みられない。そもそも投資銀行業務をしているようにも見えない。さらに、Puji の日本側代表とされている野中丈太郎氏についても、何かヒットはするんだけど、同名異人のような情報しか出てこない。

NHKスペシャルで以前、中国の投資企業の様子を追った番組があって、ああいうダイナミックな様子をみていると、上海あたりに聞いたこともない金持ちがウヨウヨしていても不思議ななさそう、という気はするけど、あれ、ほんとに厳しいマネーゲームを繰り広げる肉食系の世界の話だった。

特別目的事業体(SPV)という言葉も、ググってもいまいちぱりっとした定義にはお目にかかれない。どんなステイクホルダーがいて、どんな役割を果たすのか、責任範囲はどこまでなのか等々、興味深いところなんだけれど。おそらく Special Purpose Venture の略なんだろうけど、これも中国法の管轄になるなら、アメリカのサイトでSPVについて情報検索してもあんまり意味はないしね。


こちらでは高崎計三さんのツイッターをまとめている。これはまあ、先般のニュースを一般的な理解でかみ砕いて説明すればこうなるという話で、特に異論はないけど、新情報があるわけでもない。ただ、

なぜFEGに直接ではなくSPVに投資するのかというと、単純にリスクを分散するため。



という記述は理解できない。SPVが投資家にとってリスク分散になるという根拠は、これまでに明らかになっている情報からは全く読み取ることが出来ない。投資家の間で、Piji が提供する経営能力がFEGのそれより遙かに上である、という評判でもあるなら、あるいはこのSPVへの投資にPujiが何らかの保証をつける、といったことでもあるなら、それはリスクの軽減にはなるが、それでも分散にはならない。分散というのは、ポートフォリオを組むことで行われることである。

ポートフォリオと言えば、FEGがMMAとK-1の二つを持っているというのは、投資家からみれば魅力的かもしれないと思う。単なるMMAプロモーションへの投資と比べれば、リスク分散が出来るからだ。ただし、もちろんそれは、FEGが元々もっているもので、SPVを組むことで達成されることではない。


MMA Junkie に、FEG米国のMike Kogan氏のインタビューが掲載されていて、こんなことを言っている。

日本のファンは、TBSやフジテレビで、格闘技を無料で視聴してきた。彼らはカネを払う客ではない。UFCには、50ドルを支払う用意のあるハードコアのファンベースがあって、毎回少なくとも、30万件のPPVを打っている。だからUFCは、大会を打てば、少なくとも1500万ドルの実入りがあることを知っている。

この考え方を日本のMMAシーンに当てはめてみるといい。無料でみている1200万人の人のうち、50万人でもいいから、DREAMに50ドル払ってくれるとしたらどうなるだろう?

資金を確保しただけではだめなんだ。それこそが、エリートXCやIFL、そしておそらくベラトールが失敗している理由なんだ。ベンチャーキャピタルの資金を受けて、よし、1億ドルあるから、いろんな選手を戦わせよう、これで万事OKだ、なんてことにはならない、ということだよ。

DREAMはいまがライト級やフェザー級に注力している。人材が豊富だからだ。でも実際の話、大きな商売のためには、大きな男たちが必要なんだ。PRIDEを育てたのも、ヘビーやライトヘビーの選手たちだった。


要するにこれが新生FEGが進む方向なのかも。地上波を蹴ってPPVビジネスで生きていく、という・・・我々の懐にも影響が出てくる(打撃をこうむる)ことも十分にあり得る。Puji のいう「国際的なビジネスプラットフォーム」云々というのは、ひらたくいえばPPVのことを言っているのかもしれないですなあ。なら、北米市場をターゲットにしないというのは致命的なことに思えるけれど。


彼らが調達するとしている「200億円」という金額について、いくつかの尺度を出してみる。

日本相撲協会平成21年度事業活動収入 105億円 ソース
Jリーグ営業収入総額(J1、J2合計) 765億(2008年) ソース
WWE年商 約500億円(2009年)ソース

200億と聞くと目がくらむけど、こうして比べてみれば、これから国際的に展開していこうという事業体としては空前絶後というほどの額ではない。むしろ、この金額で世界で年間50大会とかって、ほんとにやれんのか?という気がする。

企業価値1000億を目指す、というコメントもあったが、それっておそらく、ごく単純なシミュレーションをしているだけだと思う。たとえば年間40億の利益を見込んでいるとして、金利5%とすれば、企業価値はざっと800億。自己資本200億を含めると1000億になる。利益を出しまっせと言っているだけだろうと思う。


「身売りではない」とか、「中国資本に買われたのではない」とか、その辺が強調されているように思うけど、まあ、テクニカルにはそのとおりなんだろうと思います(別に身売りでも、中国資本に買われたのでも、格闘技が続くならそれでいいとは思うけど)。で、だから安心だとも思わない。この Fuji と一字違いの Puji が何者なのかを含め、現時点ではいい話なのか悪い話なのか、評価できるほどの材料が出てきていないというのが、まあまあ冷静な理解ではないかと思う。

*****

こちらに掲載のレベルス「渡辺久江 vs Little Tiger」の煽りVの中で、渡辺が離婚をしていたことが明らかになっている。これって、これまでとくに一般には公表はされていなかった件だと思う。少なくとも僕は知りませんでした。渡辺のブログをチェックしていると、うすうす感じることではあったけど。

*****

石井対戦相手見つからず8月復帰戦見送り(日刊スポーツ)

こちらの報道では、本人の怪我のせいになっているが、ニッカンは向井社長の「なかなか名のある対戦相手が見つからない。次回の興行で考えたい」というコメントを引いて、マッチメイクが出来ないことが見送りの理由であるとしている。

毎回こんなことを言っているよなあ。いったい誰と組ませたいと思っているのだろうか。SRCに誰がいるというのだ?こんな状況で、どうして石井という玉をずっと不発弾にしておくんだろうなあ・・・


スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update