魔王性をとりもどせ【秋山連敗 UFC120感想】

マイケル・ビスピン def 秋山成勲 (ユナニマス・デシジョン)

 かつてはイラッと来たこともある秋山の入場ルーチンではあるが、海外では何度見ても、実に映えるギミックだ。ブルース・バッファーは「セクシーヤマ、ヨシヒロ・アキヤマ!」とニックネーム付きで絶叫していた。アホな言葉を絶叫するものだ。しかし秋山は試合前記者会見で「アイ・アム・セクシヤマ」と自ら切り出したそうだから、本人もまんざらでもないのだろう。それにしても、柔道着で一礼するパフォーマンス、サラ・ブライトマンの音楽、そしてセクシヤマというニックネーム。どうすればこんな珍妙な組み合わせを思いつくのかと、つくづく不思議に思う、おかしなイメージの重ね着だ。本人も入場中ずっと、ちょっと笑っているような気がする。

Tale of the Tape によれば、秋山のリーチ75に対しビスピンは75.5だというから、身長差ほどのリーチ差はない。体重185パウンドは13.2ストーンとアナウンスされていた。石13個分という単位にどんな由来があるのか、興味深いけれどもよくわからない。

結果はご存じの通りだが、どうも今回すごく思ったのは、秋山にあの魔王ぶりを取り戻してほしいのである!なんだか正々堂々としすぎていてつまらない。そのせいで負けているような気がする。自分より大きな男と、まともに打ち合う必要はない。形勢不利なときはずるく逃げ回ってほしい。打ち合うことがエンターテインメント・バリューだと思っているなら、それは立派なことだが、今回ばかりは右のパンチばかり狙い澄ますワン・ディメンショナルな選手に見えて、ちょっとアホっぽく見えた。

金的を蹴られたら、もっと大げさに痛がり、堂々と寝転んで制限時間いっぱいの休憩を取ってほしい。なんなら、ホントはたいして当たってなくても、そうやって休めばいい。3Rの金的が強烈だったが、1Rにもあっただろう。なんでアピールを遠慮するのだ?ビスピンのほうは「指が目に入った」などと、ウソか本当かわからないアピールを繰り返して、一服していただろう。外人なんて厚かましくてズルイものであるが、そんなところで負けないでほしい。あのアピール中に殴ってやればいい。金的については、アラン・ベルチャー戦でも、5分休んで良いというレフリーの言葉が理解できず、5秒と勘違いして試合を再開したと報じられていた。今回もどうやら、再開できるかとレフリーに聞かれて、思わずイエスと言ってしまったらしい。日本人離れしていたはずの秋山が、どうしてそんな、勝手に空気を読むような、典型的な日本人のようなリアクションを取ってしまうのか。ずばり言ってレフリーの言うことがわからないなら、英語のわかる人間をセコンドで連れて行ってほしい。前回失敗したことなのだから、修正してほしい。悶絶しながらもレフリーの顔色を不安そうに見て、試合進行に気を遣っているような秋山を見ていると、正直イライラする。あのヌル山の厚かましさはどこに行った?誰もが「タイム!」と思っていても平気で桜庭を殴り続けるあの非情さはどうした?思わずメリケンサック疑惑がでるほどの悪役ぶりはいずこへ。バックフィストの空振りくらいでいちいち相手と微笑み会うようなナイスガイではないはずだ。今回なんか、いくら正々堂々としたって、どうせヒールなのである。

フットワークは悪くなったのか、落ち着きが出てきたのか、どちらなのかわからない。少なくともガス欠ぶりは、ベルチャー戦やレーベン戦よりマシだった気がする。3Rラスト10秒に畳みかけるようなスタミナが残っていた。フットワークで無駄な労力を使わなくなったせいなのかもしれない。それがジャクソンズMMAでの特訓の成果なのかもしれないが、だとしたら、どこかまだ、よそ行きの洋服を着ているみたいに見えたのも事実だ。

とはいいつつ、試合じたいは、いつ倒すか、いつ倒されるか、ドキドキしながら固唾をのんで見た。とても楽しかった。でも個人的にはビスピンは下り坂の選手だと思っていたので、今回ばかりは秋山のワンパンKOを拝めると期待していた。残念である。3戦連続ファイト・オブ・ザ・ナイトらしいから、評価は低くない。しかし連敗なので、今すぐ切られなくても、次戦がカットファイトとなるだろう。五味と岡見が本戦で忙しいから、秋山は UFC on Versus のコ・メインあたりで、上昇中の若手か誰かと戦うようすがテレ東の電波に乗る、という風になれば、日本のファンにとってはうれしいUFCからの心使いになる。それと、やっぱり体が小さすぎる。階級を落とすことも真剣に考えた方が良いのかもしれない。

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UFC120で渡英中のダナ・ホワイトが、オックスフォード大学のユニオン・ソサイエティ(ディベートクラブ)にゲストスピーカーに招待された。歴代のスピーカー、マザー・テレサ、マルコムX、ダライ・ラマに、ダナ・ホワイトの名前が加わったことになる。

リンク先に講演の模様の映像。興味深かったのは、オックスフォードのタフな理屈屋にディベートでやり込められるシーンがあったのかどうかなのだが、残念ながらこのダイジェスト映像からはわからなかったし、その件についての報道も見られなかった。

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