UFC - WEC 統合情報総まとめ / K-1 Max ミニ感想

名レフェリーのジョー樋口さん死去、81歳(ニッカンスポーツ)
謹んでお悔やみを申し上げます。

*****

K-1 Maxはテレビ観戦。例によってけなげに打ち合う姿には胸が詰まった。それにしても、ペトロシアンのような異物が出てくると、素人目にもわかるくらいに、戦い方が変わってくるものだなあ、と。それでも終わってみればペトロの余裕の優勝だったような印象も。ザンビも頑張ったけれど(魔裟斗風)。ペトロはあれだけ強いなら、もうちょっとヒールとして描いていかないとね。

対戦相手のナンセンが「体調不良」(ほんまかいな)のため変更になった石井慧。大きな身体でのしかかって、小さな柴田の腕を極めて、一体何がおもしろいんだろう。思わず目を背けたくなった。せめて、体重差など気がつかない視聴者の心に、少しでも残ったのならいいのだが、少なくとも会場の観客は恐ろしいまでにうんともすんとも言っていないようであった。

試合後の石井のインタビュー。もはや何を言っているのか全くわからない。AKBの入場曲と併せて、ピンともこないしおもしろくもないし、どちらかといえば面倒くさい。困ったものだ。かつてモハメド・アリは、フレッド・ブラッシーに心酔してトークを学んだという。石井も誰かプロレスラーにでもトークを習ってはどうか。芸人を気取るなら、客がうんともすんとも言わなかったところにこそ、ショックを受けてほしいのだが。

*****

すでに広く報じられているが、先々週の木曜日にダナ・ホワイトが、2011年にWECをUFCに吸収合併するとアナウンスした。米国での報道ぶりをまとめておきたい。主にレスリング・オブザーバからの引用であるが、情報源はいろいろありすぎてわからなくなった。申し訳ない。


・WECは、11月16日のWEC52、12月16日のWEC53をもって終了する。
・WECのバンタム、フェザー、ライトの各階級はUFCに統合される。
・WECバンタム級王者は現在のところ、ドミニク・クルーズ。ただしWEC53でスコット・ジョーゲンソンの挑戦を受けることとなっている。
・WECフェザー級王者、ジョセ・アルドは、そのまま初代UFCフェザー級王者に認定され、元旦のUFC125でジョシュ・グリスピと初防衛戦を行う。
・WECライト級王者はいまのところ、ベン・ヘンダーソン。ただしWEC53でアンソニー・ペティスの挑戦を受けることとなっている。最後のWEC王者の勝者が、元旦大会のUFCライト級タイトルマッチ「フランキー・エドガー vs グレイ・メイナード」の勝者と統一戦を行う。
・WECの職員は全員UFCに移籍する。ただし、現在ヴァーサスでWECの実況をしているアナウンサーのトッド・ハリス氏は職を失うこととなる。他方でWECのリングガール、ブリトニー・パーマーは、無事UFCに移籍がきまった。
・Versus で放送されていたWECのダイジェスト番組 Wreckage は放送終了。Versus でのMMA番組は、年4回のUFC中継のみとなる。
・これまでのWECのビデオライブラリなどの利活用については未定である。
・レナード・ガルシアは1月を待たず前倒しでUFCに登場予定。12月4日のTUF12フィナーレ大会でタイラー・トーナーとWEC対決を行う。
・ケージはUFCの30フィートのものを使用する。WECのケージは25フィートだった。なおUFCでも、Fight Night や TUF では小ぶりな25フィートのケージを使っているという。


・WECは本来であればもっと早くUFCに統合されるべきだった。もともと、IFLがヴァーサスでの放送を交渉していたとき、これを排除しようとしてズッファがヴァーサスでUFCの放送を行おうとしたが、当時はスパイクと完全独占契約を結んでいたので叶わなかった。そこでズッファは、先住民居住区などで細々と大会を開催していたローカル団体WECを買収して、ヴァーサスでの放映権を獲得したのである。

・現在のUFCとスパイクTVとの契約では、UFCがスパイク以外の放送局で年間4大会を放送できることになっており、この契約内容に従い、従来WECを放送してきたヴァーサスでは来年、UFC4大会を放映することになる。ヴァーサス大会はこれまでのところ、テレビ東京に卸されてきた。

・WECが4月に試験的に行ったPPV大会は、15万~20万件を売り上げたとされており、これはUFC以外のプロモーションのPPVとしてはもっとも成功した大会といえる。大人の事情で、UFCもWECも禁句の、不思議なPPV大会であったが、見た目はUFCそのものの大会であった。

・WECの視聴者数は、ユライア・フェイバーが出場しない場合、おおよそ30万人程度にとどまっていた。9月のジョセ・アルドの防衛戦で48万6千人。しかし同じヴァーサスで放送された2度の UFC on Versus 大会の視聴者数は、124万人、99万1千人であった。


・統合のメリットとしては、(1)UFCの選手層がますます厚くなり、PPV大会でより多くの選手権試合を組んだり、スター選手を出場させることが出来る、(2)軽量級トップクラスの選手の露出が大幅にアップし、知名度と待遇の改善が期待できる、(3)アメリカ以外の国で豊富な軽量級の優れたローカルファイターを引きつけることが出来る、等が挙げられる。

・これらのメリットを取るに至るまでの「成長の痛み」にはつぎのようなことがありうる。

(1)UFCファンが軽量級をメインイベントクラスとして認めないリスク。ジョセ・アルドはいいとしても、バンタム級王者はドミニク・クルーズは知名度が心配である、おまけにクルーズのファイトスタイルは、フランキー・エドガーに似ている。

(2)UFC契約配下選手数の増加による、選手数の削減

来年のズッファの大会数自体は減りそうである。ことしUFCは全部で24大会、WECは8大会を開催した。来年のUFC大会数は、おそらく26~27大会ではないかと見られている。ダナ・ホワイトは「PPVの数はもう上限に達している」ともコメントしている。かねてダナ・ホワイトが空手形を切りまくっている、アメリカでの全国ネットの地上波放送にでも進出しないと、これ以上の大会数の拡大は見込みにくい。

現在UFCのロースターには200選手、WECには70選手が登録されている。ところが来年の大会数から考えると、適正な選手数は210~230人、一階級当たり平均30~32人程度であると見込まれる。フェザーとバンタムはいまのところ、その数に足りていない。他方でライト級は、統合により60名程度の大所帯となるので、大幅な削減が行われるかもしれない。Kamipro 風に言えば、フェザーとバンタムは日本人選手がヘッドハントされる恐れもあるが、ライト級では優れた外人選手が早めに放出されてくる可能性が高い。

もっとも、現在UFCのライト級で戦っている選手のうち、フェザー級が出来るなら階級を落としたいという向きも出てくるはずである。その代表選手がチャンピオンのフランキー・エドガーだったりする。

(3)マッチメーカーは、フェザーとバンタムはWECのショーン・シェルビーが、ライト級以上はUFCのジョー・シウバが、それぞれ引き続き担当するらしい。1大会10~11試合のうち、軽量級はおそらく3試合程度の枠となるだろう。さらにPPV放映枠であるメインカードでは、軽量級は1~2試合程度であろう。トップ選手以外は、かえって露出の機会が限られることとなるので、軽量級では当面、コンテンダー作りが課題となるかもしれない。


WEC - World Extreme Cagefighting
2001年6月 現ジェネラル・マネージャのリード・ハリス、元UFC選手のスコット・アダムスが設立。カリフォルニア州でMMAが解禁される2006年まで、タチ・パラスなどの先住民族居住地区で興行を行っていた。旗揚げ戦のメインイベントは「ダン・スバーン vs トラビス・フルトン」。

2003年7月 WEC6に、3年ぶりに復帰のフランク・シャムロック登場、初代WECライト級王者となるが、WEC登場はこの一度きりとなった。この大会にはニック・ディアズも参戦。

2004年1月 WEC9で、マイク・スイックを下したクリス・レーベンが初代WECミドル級王者となる。

2006年12月 ズッファに買収される。

2007年6月 WEC28、ヴァーサスで放送開始。メインイベントはユライア・フェイバー。

2008年2月 ミゲル・トレスがチェイス・ビービを下してバンタム級王者に。

2008年6月 ジョセ・アルド、プロモーショナル・デビュー。小ノゲイラを破壊。

2008年11月~ ウエルター・ミドル・ライトヘビーをUFCに統合。スティーブ・カントウェル、ブライアン・スタン、チェール・ソネン、カルロス・コンジットらがUFCに移籍。スコット・アダムス退任、新マッチメーカーにショーン・シェルビー就任。

2010年4月 初のPPV。「WEC48:アルド vs フェイバー」

*****

WECの共同創設者で現ジェネラル・マネージャ、リード・ハリス氏のコメント

WECを始めた頃には、1回で終わるんじゃないかと思っていたよ。いま、個々に座って、世界最大のスポーツ企業の一部になれるということには、とても満足している。なんだか子供を大学にやるような気分だよ。最初は何かと心配だったが、手が離れてみれば、立派なもんだ。

計画段階で話していたのは、WECの選手はみなとてもすばらしくてダイナミックだから、もっと大きなステージで闘うべきだ、世界中のMMAファンに開かれるべきだということだった。UFCほど大きな舞台はほかにはない。みんなとても興奮しているよ。われわれと同じように、選手たちも興奮していると思う。

われわれの目標は、軽量級を作り出し、選手を有名にすることだった。われわれはそのために懸命に努力した。そして、ダナ・ホワイトが言うように、いまこそUFCの国際的な拡大に吸収されるときなんだ。

なんと言っても私が誇りに思うのは、WECの選手たちが次のレベルに進むにはまだ早い、等という人が誰もないと言うことだ。だれもが、アルドやフェイバー、クルーズには、UFCでやっていける技量があると言ってくれている。

ペティスやヘンダーソンは、WECがゼロから発掘した選手だ。そんな選手たちがUFCタイトルを狙えるレベルにまで成長したというのは、本当に誇らしい。

現時点では私自身の新しい役割についてはお話しできない。いまはまだ、11月と12月の大会に集中しないと活けないからね。

(実際に彼らの試合がUFCでおこなわれたら)もちろん自分はWEC出身の選手を応援するよ。メイナードともエドガーとも親しいんだけどね。



*****

ダナ・ホワイト、地上波獲得について語る

(UFCのテレビ戦略はどうなっていますか)
UFCはすでに世界の5億世帯で視聴されている。このスポーツはどの国でもよく浸透する。いくつかの動きを考えていて、数ヶ月後には世界で10億世帯に届くことになろう。

(アメリカ国内ではどうですか)
ネットワーク局と交渉をしている。交渉の最中なので詳細は話せない。

(ニュース・コーポレーションと交渉をしていると聞きました。傘下のフォックス局の土曜の夜に、UFCにぴったりの空き時間があります)
否定はしないよ。詳しくは話さないが、その当たりは常識だろう。

(コムキャスト傘下のNBCはどうですか。すでに孫会社の Versus で放送を行っています)
いろいろうまくいくようなら、悪い話じゃないな。NBCへの道にはなるだろう。あんたの言うことは全部その通りだよ。悪いがそれ以上は言えない。

(UFC自前の放送局は視野に入っていませんか)
スポーツ・ビジネス・ジャーナル誌が、自前の放送局をもつスポーツはどこかというアンケートをやっているが、4人中5人がUFCと答えている。正しいよ。同意する。数年以内に実現するだろう。

(ESPNとの関係は?)
ESPNはますますUFCを報じるようになる。ESPNは10年後に、「UFCを放送していればよかった」と地団駄を踏むだろう。

(HBOとは交渉していますか?HBOのロス・グリーンバーグとは話していますか)
最初にグリーンバーグのオフィスに行ったときにはびびったよ。自分はまだボクシング業界にいて、すごく光栄に思ってた。最初の5分間はね。でも自分が耳にしたのは、いくつエミー賞を取ったとか、どんなシットばかりだった。自分は「わかってるのかな、PPVであんたらのケツを蹴りまくっているんだけど」みたいな感じだった。グリーンバーグほどボクシングをうまく扱った人はいない。HBOはキング・オブ・ボクシングだ。でも変化というものがない。1975年のHBOの放送を見てみるといい。今とどこが違うんだい?アナウンサーまで同じだよ。



UFCとスパイクTVとの契約は2011年一杯で満了することとなっており、契約延長の交渉が行われている。2012年以降にはUFCの放送体制にもさらなる変化が現れるかもしれない。

UFC専門局の構想についてば、これがNFLやMLBが行っている専門局と同じコンセプトの、ケーブルテレビベースのものなのか、それともホワイトがかねて語っていた世界向けのオンラインサービスのことなのかは不明である。

ホワイトは昨年、「2010年9月15日までにUFCは全国ネットワーク局で放送されることになる」と明言していた。


>個人的には、特に軽量級に特化して以降のWEC大会はとても気に入っていたので、ファンとしてはもう見られなくなることは残念である。若い選手が多いためか、リスクとかおいしいとか、そう言うことは何も考えず、外連味もなくひたすら殴り合っているような様子は、すがすがしかったし、見ていて元気をもらえた。どの選手を見ても、ハイスピードでフルラウンド動き続けることには何の問題もないようなコンディションの良さだった。名前の知らない選手の試合でも、見始めると目を奪われてしまうところがあった。日本人選手の胸のすくような活躍も何度か見られた。

たいして大きくない会場にぎっしり詰まったハードコア・ファンが、あのブルーを基調とした狭いオクタゴンを囲むようにして盛り上がっている雰囲気は、熱気があって好ましかった。ネットで画像がなかなか探せず、いつも苦労したことも、今となってはかえってWECを秘密の桃源郷のように感じさせた。ズッファには2つの子会社があって、同じ事業をしているのである。合併は必然だっただろう。それにしても、WECには退屈な大会は一つもないので、残り2大会、各自調査でじっくり楽しんでみてはいかがかと思う。

創業者のリード・ハリスさんは一抹の寂しさはあるだろうが、超弱小団体から、UFCにほぼ対等合併してもらえるまでに成長させたわけだから、ビジネス的にはハッピーエンドというべきだろう。同じ吸収合併でも、PRIDEの買収とはずいぶんと雰囲気が違う。あのとき、素直にダナ・ホワイトの言うとおりにしておいたら、今頃はどうなっていたのかなと想像したりもしないでもない。

*****

・一昨日のK-1の記事に追加情報があったので更新しました。

・明日か明後日に、広告ばかりのエントリを一つ、アップさせていただく事になると思います。ご容赦ください。







スポンサーサイト

毎週更新!

Ad

Ad

MMA Update