チェール・ソネンのアップセット勝利【ジョシュはまたしても空振り】


 カリフォルニア州アスレティック・コミッションで、ドラッグテストに失格していたチェール・ソネンの公聴会が行われ、当初命じられた1年間の出場停止処分が半年に軽減された。ソネンは3月2日以降、試合に出場できる。このニュースはアメリカのMMAファンの間で大きな注目を受け、おびただしい報道が飛び交っているほか、公聴会のUストリーム中継は一時8000人が視聴していたという。ただ、討論は要領を得ず、なぜ処分が軽減されたのかもさっぱりわからないというのが実態だったようだ。


MMA Fighting の報道ぶり

カリフォルニア州コミッションのもたもたしたひどいミーティングで、チェール・ソネンはほとんど破滅寸前だった。高名な弁護士二人と、「性腺機能低下症」の治療のためにテストステロンを処方した医師を伴ってはいたが、ルールはルールだという雰囲気だった。コミッションのメンバーは、しばしば自分たちが決めたルールをわかっていないようだったが、全般的にいって、ストステロン使用をソネンが適切に申し出なかったとみなしているようだった。

ところが、公聴会の最後に驚くべき投票結果が出た。一年間出場停止という処分を支持するかどうかの投票結果が2対2となって行き詰まり、その後で行われた、出場停止を6ヶ月に半減するかという投票が3対1で可決されたのだ。

・・・コミッションの委員は準備不足で、公聴会の運営すら出来ないようだった。ルールの知識も曖昧であり、かつある委員はソネンのことをボクサーだと呼んだ。UFCの社長ダナ・ホワイト、ネバダ州コミッションのディレクター、キース・カイザーのことも知らないと口走る者もいた。

ソネンはこの場ではじめて、ホルモン補充療法の一環として定期的にテストステロンを注射していることを認めたが、なぜ州コミションに事前に届けでなかったかについての説明は聞かれなかった。ソネンは自分が性腺機能低下症であることを認めたくなかった、それは思春期に受けたいじめを思い起こさせるからだ、などといった場にそぐわない説明をしていた。

・・・全体的に、ソネンは、医師の診察に従ってテストステロンを使っていることを証明出来ればよいと考えているようだったし、コミッションは、なぜ試合前の質問票にそのことを書かなかったのかという事を知りたがっているようだった。それでも、まるで妥協案のような投票結果が、どこからともなくいきなり訪れたのだった。それはまるで、UFC117での「チェール・ソネン vs アンデウソン・シウバ」戦と同じような展開だった。コミッションがソネン役で、ほとんどの時間を圧倒していたのに、最後にシウバ役のソネンがショッキングな勝利を得たのであった。

・・・いったいいつになったら、カリフォルニア州コミッションは、明快で平等な、増強剤についてのルールを作ることが出来るのだろうか。今回のようなことがあると、ズルをしても良い弁護士がいればどうにかなるという認識が広がってしまうのではないだろうか。



BloodyElbow の報道ぶり

2時間にわたった公聴会は、ほとんどサーカスだった。ソネンの主治医は、黒いTシャツを着て、ガムをかみ、部屋の中との誰とも視線を合わせないようにしていた。医師は性腺機能低下症の診断と、そのためのテストステロンの処方について説明した。医師は、ソネンのテストステロン使用について、コミッションに資料をファックスしたと主張したが、「その書面がソネンのフォルダーに入っていなかった」などとして、証拠を示すことは出来なかった。



Fight Opinion

チェール・ソネンの弁護士、ハワード・ジェイコブスがとった反論は驚くべきものだった。ソネン氏は性腺機能低下症を患っているため、障害者雇用促進法により仕事を続けるべきであるとしたのである。この法律がUFCファイターを念頭に置いて書かれたものだとは思いもしなかった。

ソネンは、ネバダ州コミッショナーのキース・カイザーから、ホルモン補充療法については報告しなくて良いと言われたと語った。



Cage Side Seats

キース・カイザーは、「私はチェールソネンと、この件に限らず、口をきいたことがない」と語った。ソネンのネバダ州でのファイター・ライセンスについてカイザー氏は、カリフォルニアでの出場停止が空けて、ソネンがネバダ州のライセンスを申し込んできたときに、委員会に出頭して、どういう趣旨の発言だったかを説明すべきだろうと語った。



チェール・ソネン公聴会の映像はこちらに


この日の公聴会には、IGFに出場したかったであろうジョシュ・バーネットも出席し、ファイターライセンスの支給を求めたが、結論は次回2月の公聴会に持ち越された。2009年6月にドラッグテストに失格したバーネットは、今回はテストの結果に異議申し立てをしに来たのではなく、ライセンスの支給を申し込みに来たつもりであったが、席上で委員から「ステロイドは摂取しなかったのか」と聞かれ、宣誓もしないままに「摂取していません」と答えたところ、「再申請するためにはリハビリテーションの結果を示さなければならない」等といった議論となり、さらに、弁護士抜きでこれ以上の証言を行うことは選手生命に関わる不利になりうるから、弁護士を連れて次回の公聴会に来るようにとの結論となった。

委員たちは、バーネットが単に新規申請に来たのか、昔のライセンスを再申請に来たのかについて、また、宣誓すべきではないかとか、まずはコミッションの事案説明から始めるべきではないかといったことについて揉めていた。バーネットが、リハビリテーションとは具体的にどういう内容なのかと尋ねたが、委員は具体的な回答を出来なかった。公聴会を25分で終えたバーネットは「個人として申し込みに来ただけなのに、委員に異議申し立ての公聴会に仕立て上げられた。不意打ちだ。そうなるとわかっていたら、弁護士を連れてきたのに!」などとTweetしている。

バーネットはこの1年半で5度、弁護士を連れてこなかったとか、本人が来なかったとか、天候のせいで移動できなかったなどの理由で、公聴会を流してきた経緯がある。

(出所)Josh Barnett's Licensing Hearing Delayed Again After Confusion at CSAC (MMA Fighting)

>コミッションもお粗末だが、バーネットもいい加減にそろそろ、しっかりしないとねえ・・・何をしに行ったのかすら、誰にもわからないとは・・・選手なら誰でもやっている手続きのはずだが。あと、ソネンが早期復帰となると、岡見のアンデウソン挑戦が先送りにされたりしないだろうな。

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グレッグ・ジャクソン、「ジャクソンのキャンプは一貫して安全第一だ」というダナ・ホワイトの批判に反論。

今年行われたUFCの22大会で、うちのジムの選手が12のファイト・オブ・ザ・ナイトなどのボーナスを獲得した。2大会に一回は、ウチの選手がどれかのボーナスを手にしたんだ。少なくともわれわれは、フィニッシュをねらっているし、エキサイティングな試合をしようとしている。だから批判には根拠がないよ。

15分間戦えるようなメンタルはつくっているが、常にフィニッシュをねらってもいる。なぜなら、それがもっともスマートな戦い方だからだ。もし、負けたくないからと思って相手を塩漬けにし続けたとする。そうしたら、時間がたつにつれて、相手が立ち上がってしまう可能性がある。長引くほどに、相手にチャンスを与えることになる。「安全第一」という戦法はロジカルではないんだ。

むしろ1Rで終わらせてしまうのがいい。とはいえ、15分戦うつもりも持っておきたい。「どうしても1RにKO勝ちする」などと考えていると、そうならなかったときに、そこでがっくり来てしまう。

自分にとっては、「エキサイティングであること」と「試合に勝つこと」は同義語だ。膠着させるというゲームプランをしたことはない。膠着が起きると言うことは、リズムをつかめていないか、何かがうまくいっていないか、整然とやろうとしすぎているかだ。



マーコートが岡見に敗れたのは、セコンドが勝利を誤解して安全第一のアドバイスをしたからだ、とのホワイト発言について

ダナは私がマーコートに言っていたことを聞いてないだろう?確認してもらえばわかるが、私は3Rに、「ネイト、残り1分半だ。KOしろ。KOしないといかん」と叫んでるんだ。ネイトに聞いても、そのことはちゃんと覚えていた。私も最初の2Rは取られたと見ていたんだ。


この手の話をあんまり自分のこととして受け取らないのは、いろんなことが常に変化しているからなんだ。以前、所属選手が負け続ける「暗い夏」があった。そのときには、やり方を考え直して、それ以来ずいぶん持ち直している。トータルで見れば、われわれの勝率はとても高い。すると今度は過大評価が来る。ウチの選手全員が過大評価される。つぎには「退屈」論だ。ウチの選手は全員が退屈だという。それぞれの議論にまとめて応えよう。いつでも新しい議論は巻き起こる。そういうものなんだ。

でも、ファンじゃなくてダナ・ホワイトがそう言ったというのは気になった。私はUFCのためにがんばってきたつもりだ。数字を見ればヘンな話であることもわかる。人生を捧げて仕事をしてきたのに、ボスから「おまえ、ダメ」って言われたようなものだからね・・・まあ、またやる気が出たよ。たまにはキビシイ現実を突きつけられるのもいいものだよ。



>ジャクソンのキャンプにはジョン・ジョーンズもカルロス・コンジットも秋山もいるわけで、たしかに「全員が退屈」だというのは言い過ぎなのだが、どこかそう言いたくなる気分もわからなくもない、というのもまた実感である。戦績がいいのも、また事実である。キャラ的に言って、グレッグ・ジャクソンとダナ・ホワイトとは、食い合わせは余りよくなさそうではある。

(出所)
Greg Jackson Fires Back at Dana White Over Recent Criticism (MMA Fighting)
Greg Jackson: “Being Exciting And Being A Winner Are The Same Thing”(MMA Weekly)

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ベラトールが来年はFXというケーブル局で放映される見込みだとMMA Junkieが報じている。存続の危機も噂されていたが、本当にやるみたいだ。FXとは聞いたことがないが、ほとんどのケーブルテレビの「ベーシックパック」に入っていて、1億世帯で視聴可能なのだそうだ。

それにしても、シーズンのたびにテレビ局が代わるというのも大変なことである。



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